処方食のキャットフードは猫に適した食事なの?猫の食事の専門獣医師Dr. Piersonインタビュー Vol.3

一般的に動物病院で販売されている処方食について、Dr.Piersonがどう考えているか聞きました。

処方食は私の病院では売っていないし、置いたこともありません。使うこともないですね。クライアントの猫には、もっと種に適した健康的な選択肢があるからです。

例外として、期間限定的に、体を酸性にする缶フード使用することはあります。膀胱にスツルバイト結石の疑いがある猫に対して、1週間か2週間、場合によっては1ヶ月ぐらい使用します。

処方食は時間をかけずに結石を解消できます。しかし、処方食は継続的な使用には向きません。酸性に傾きすぎているからです。私は、他の市販されている処方食もまったく使用しません。

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不思議なことですが、FDA(米国食糧医薬品局)は処方食の監督をしていません。医薬品の監督はしていますが、処方食は、それに使用されているものに処方が必要なものがないにも関わらず、“処方食”として販売されています。“処方食”と呼ぶ以上、もっと精密な調査にかけるべきです。

ところが、市場に流通する処方食に対して、臨床試験すら要求されていないのが実情です。視点を変えて言うと、あるべき工程を踏んで作れば、流通している処方食もはるかに健康的な配合にできるはずなのです。

もし自分の猫が病気になったら、獣医師が勧める処方食を与えるしかない、と信じている飼い主が多いようですね。しかし、ちょっと調べるだけで、自分でもできることがあります。

たとえば、この種の処方食には、DLメチオニンが多く配合されていますが、これはアミノ酸を酸性にするものです。飼い主の多くが見落としているのは、DLメチオニンは単体で、嗜好性の高いペーストやタブレットで手に入るということです。これを、処方食よりずっと、タンパク質源、水分、炭水化物量の点で質の高いフードに加えたら良いわけです。

もちろん、深い知識のある飼い主であれば、処方食を拒絶して、獣医師に「うちの子の尿を自然に酸性にして、スツルバイト結石をなくしたいので、嗜好性の高いDLメチオニンを出してもらえますか?」とお願いすればいいですね。獣医師も言葉をなくすでしょうね?

獣医師はなぜ処方食を薦めるのか?

Dr.Piersonは、個々の猫のニーズに合わせて、飼い主がフードをカスタマイズして配合するのを手助けしているということです。そこで、クライアントは、処方食からカスタマイズフードに切り替えるのに抵抗を示しませんか?と聞いてみました。

たいてい不安がりますね。これがなかなかやっかいなところなんですよ。週に5-6人は「かかりつけの獣医師に、この処方食を与えなかったら、悪い影響が出るって言われたんです。だから、怖くて。」とメールしてきます。

残念ながら、獣医師は、日々、進化する医療情報についていくのに非常に忙しくて、食事にまでそれほど関心を向ける余裕はありません。ですから、腎臓病の猫には、単純に、棚に並べている処方食を出しておけば楽なんですね。つまり、ペットの食事について、必ずしも大切な思考が働いているわけではないのです。

 

Dr.Piersonの診療の大きな部分を占めるのが、子猫用の種に適した食事を処方することです。そんなに難しいことではないのですが、旧態依然とした獣医師業界は、これを謎のように難しくしてしまっていると言います。多くの場合は、ちょっとした調整をすればよく、たとえば、腎臓病の猫には、食事のリンを抑えます。

Dr.Piersonは、適したフードにDLメチオニンを添加するのと、DLメチオニンを配合した処方食を与えるのとでは大きく違うと指摘しています。但し、一時的に処方食を薦めることはあります。それでも、1週間かせいぜい1ヶ月です。

いずれにしても、飼い主が頭を切り替えて、フードを自分でアレンジするのを手助けしています。処方食というのは、一時的な穴埋めにしかなりません。しばらくの期間、処方食に水を加えて与えながら、徐々に、医療的に適した健康な手作り食に切り替えていくと良いでしょう。