犬や猫に適したタンパクとは?

2018.6.15 Facebook
ジウィ顧問獣医師グルエンスターンDVD, CVAが、“高タンパク”という表現にごまかされないようにと警鐘を鳴らしています。というのも、ペットフードに含まれるたんぱく質の質が誤って理解されている、また、たんぱく質の質が軽視されているというのです。

体は、なにを消化したがすべて。なにを食べたかではない!

高品質のたんぱく質かどうかは、動物がそれを消化したかどうかがポイントです。大型の反芻動物は、一日中、草をはんで暮らしていますが、その結果、なぜ、あの丸々した高タンパクのお肉の体になるのか考えてみたことがありますか?草食動物の胃、腸管、唾液酵素は、イヌ科、ネコ科の肉食動物のそれとは、あらゆる点で違います。植物を食べる動物の消化器系は、植物に含まれるたんぱく質を分解できるようにできています。ところが、肉食動物の消化器系はそうではありません。したがって、ある種にとって高品質のたんぱくが、他の種にとってはそうとは言えない、ということが起こるのです。

粗タンパクとは?

私は、動物病院のクライアントに「革靴の紐は、計算上は高たんぱくだけど、消化はできないよね?」という話をよくします。何を言いたいかというと、実は、たんぱく質と言ってもそれぞれ違うので、ペットフードの表示を比較することは難しい、ということです。ペットフードの表示には、ペットフードに含まれる「粗たんぱく」値を記載する必要があります。粗たんぱくとは、技術的には、たんぱく質量の全量を測定したものと定義されていますが、実際には、たんぱく質のもっとも一般的な計算方法は、窒素――たんぱく質の老廃物――を測定し、たんぱく質に含まれるアミノ酸の品質は重視しません。つまり、たんぱく質の消化率(特定の種が、たんぱく質分子から生成される個々のアミノ酸を分解し吸収する能力)など、なおさら問題にしてはいないのです。

たんぱく質の中にアミノ酸がある

たんぱく質は23種類のアミノ酸でできています。犬や猫は、体内でいくつかのアミノ酸を生成できますが、その他のアミノ酸は、食品から摂取して吸収しなければなりません。たとえば、猫は、12種類のアミノ酸を微量栄養素から生成できますが、残りの11種類のアミノ酸は食事から摂取しなければなりません。これを必須アミノ酸と言います。アルギニン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニールアラニン、トレオニン、トリプトファン、バリン、タウリンが猫にとっての必須アミノ酸です。
卵、肉、乳製品、魚のような動物性たんぱく質には、大豆、コーングルテンミールのような植物性たんぱく質よりも、必須アミノ酸が多く含まれています。ですから、たんぱく源の多くを植物から配合しているフードを与えると、サプリメントを添加せずに、猫が必要なすべての必須アミノ酸を満たすことができません。たとえ、商品のパッケージに記載されている保証成分値を見る限りでは「高たんぱく」に見えても。。。

 

犬や猫は、なぜ植物性たんぱく質ではなく、高品質の肉たんぱく質が必要なの?

口のお話からはじめましょう。肉食動物は咀嚼することができません。肉食動物の歯は、肉をひきちぎるために鋭く尖っています。だから、肉を引き裂いて飲み込むことができます。反芻動物である草食動物(羊、牛、鹿、山羊など)の歯は、平たくて物をすりつぶすためにできています。

咀嚼プロセスは、植物性のものを水分でふやかし柔らかくし、唾液酵素を合わせることで、さらに分解する工程です。草食動物の唾液にはセルラーゼが含まれていますが、これが、植物の細胞壁を分解して消化できるようにします。ところが、肉食動物はこの酵素、セルラーゼを持っていません。

また、草食動物によっては、飲み込んで咀嚼した飲食物を再咀嚼します。たんぱく質は、適した状態まで分解されないとアレルゲンになってしまうからです。

口から飲み込んだ食べ物は、非常に酸性が強い胃に入ります。この酸の力で、大きなたんぱく質分子が小さい個々のアミノ酸に分解され、小腸の上部に適切に運搬されて酵素分解が可能になります。分解されたたんぱく質は、プロテアーゼのような膵酵素の働きを受けて、すい管を通過し小腸の上部にたどり着きます。ここでアミノ酸が分離します。これらのアミノ酸とその他の栄養素は、腸内細菌と混ざりながら小腸を通過します。

そして、粘膜壁を通じて血流に吸収されます。このプロセスにかかる時間は、種により異なります。腸内細菌の性質は、種によって異なるだけでなく、個体差も見られます。

適したアミノ酸配列で吸収され、肝臓に運搬されて、次の分解を経て、体に認識されます。肝臓は複雑なフィルターで、体の優れた解毒システムの一部を担っています。大きなたんぱく質分子がそのまま肝臓に運ばれてしまうと、免疫システムに大惨事が起こります。体に認識されていないたんぱく質は、アレルゲンまたは異物として働くからです。

過剰な窒素老廃物は、血流にNH4(アンモニア)として蓄積されます。結果、ペットは、体調を崩し、嘔吐や痒み、神経系の問題も発生するようになります。これは、下痢、涙目、皮膚傷害等を通じて、体のシステムから不純物を除去しようとするからです。

粗たんぱく vs.  高品質のたんぱく質

これで、みなさんも、ペットフードのラベル表示に記載されている粗たんぱく値が、たんぱく質の品質、安全性、消化率についてはなにも教えてくれないということが、理解できたと思います。たんぱく質の質は、特定のたんぱく質を、特定の種が消化する(分解して吸収する)能力で決まるのです。最後に、たんぱく質が分解されるときには、種に必須のアミノ酸配列――種に適した食事――を有していることが必要です。

 

賢い飼い主なら、きちんとした管理能力を備えなければなりません。原料ラベルをしっかり読んでください。ペットフードメーカーの評判、信用を調べましょう。あなたのペットの命に関わることです!

 

References

  1. https://www.google.com/search?q=melamine&oq=mealmine&aqs=chrom   1.69i57j0l5.5161j0j7&sourceid=chrome&ie=UTF-8
  2. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4458075/
  3. https://www.feedipedia.org/node/8329
  4. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4519257/
  5. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11518225
  6. https://www.petmd.com/blogs/nutritionnuggets/cat/dr-coates/2015/april/everything-you-need-know-about-cat-food-and-protein-32590
  7. https://www.scientificamerican.com/article/widely-used-herbicide-linked-to-cancer/
  8. http://journals.sagepub.com/doi/pdf/10.1354/vp.08-VP-0233-N-FL
  9. http://www.nytimes.com/2008/11/26/us/26formula.html