秘密のスーパーフード「内臓」

Jodie Gruenstern, DVM, CVA

犬と猫は、オオカミやクーガーと多くの共通点を持ちます。しかし、まったく同じではないため、その生理機能について様々な議論がされてきました。とはいえ、犬も猫も肉食動物で内臓肉を自然に食べる動物です。実際、内臓肉がペットにとって自然な優れた栄養を提供することから、ペットの食事に内臓肉を使う価値について意識する必要がありそうです。

 

獲物の体に入っている栄養

ペットの体は小さくても、本来、獲物を消化するようにできています。獲物となる動物の体は4つの基本組織、肉、骨、内臓/腱、そして消化器官に残っている食べ物からできています。

分析の結果、どの組織にも豊富な栄養が含まれており、捕食動物が消化すると総合栄養食になるというのです! さて、内臓の秘密を探ってみましょう。

 

「腺理論」を理解する

「腺理論」を説明しましょう。ペットの体のどこか特定の部分に病気がある場合に、食事にその部分を与えてやると、弱っている組織に栄養を補填できるという考え方です。この栄養素はビタミンやミネラルであることもありますが、未確認物質でその他の食物からは補填できない場合もあります。たとえば、甲状腺ホルモン、心臓の筋肉に含まれるタウリン、腎臓に含まれるミネラルコルチコイドのような物質です。

 

内臓は栄養がいっぱい

さて、内臓、腺組織にはどんな栄養があるか、ひとつひとつ見ていきましょう。獲物の体に自然に含まれるこのような重要な物質を食事から摂ることができなかったら、ペットは何が不足してしまうでしょう?

 

レバー(肝臓)

レバーは最もよく使用される内臓肉です。生食フードに使用したり、おやつとして与えたりします。

ある調査では、レバー、キドニー、筋肉部位のすべてが解毒内臓として作用すると発表しています。レバーには重要な働きがたくさんありますが、それは、レバーの中に健康によい様々な成分が含まれているからなのです。

レバーは抗酸化成分の王様、グルタチオンの源でもあります。グルタチオンは解毒作用を促す代謝物質です。レバーは、1g当たりに含まれる栄養がどの食品よりも多く、特にビタミンB12とビタミンA5が豊富です。

 

ハート(心臓)

ハートにはタウリンというアミノ酸が豊富に含まれていますが、これは適した心臓機能に不可欠ですが、加熱によって壊れてしまいます。おもしろいことに、タウリンが最も多く含まれているのは、ネズミの心臓です。そして、食事のタウリン不足が最も問題になるのは猫なのです。猫は、タウリンが欠乏すると拡張型心筋症という病気で死に至ります。

ハートは、エネルギーのバランスを取るのに不可欠で、酸化ストレスを予防する酵素、コエンザイムQ10を摂取できる非常に優秀な食材です。慢性疾患の多くの場合にコエンザイムQ10が不足しており、ミトコンドリア障害があります。ミトコンドリアはペットの細胞のかまどのようなものです。バイソン、ベニソン、ビーフのハートは、最も優良なコエンザイムQ10源です。ハートは、鉄、亜鉛、セレン、ビタミンB源でもあります。このような重要な栄養素を含むことから、ハートはスーパーフードなのです。

このように様々な栄養に恵まれていることから、肉食動物の食事にハートを配合することはとても重要です。

 

ラング(肺)

スコットランドに塩のきいたプディングで「ハギス」という伝統料理があります。羊の内臓(ハート、レバー、ラング)に、オニオン、オートミール、スエット(羊の腎臓のまわりの脂肪)、香辛料、塩を入れて挽肉にし、スープを混ぜて、羊の胃袋に詰めて茹でたものです。

ラムのラングには、ビタミンB12、ビタミンC、鉄分が非常に豊富に含まれています。

 

ストマック(胃)

トライプは、特に反芻動物の胃の内側を指します。ビーフ、ラム、ベニソンなどから得られます。トライプは、動物の消化物、つまり、胃の内容物(食い戻し)で、植物性の食物が攪乳、発酵されたもので独特のにおいがあります。グリーントライプには、健全なマイクロバイオームや免疫機能に不可欠となる、健康的なプロバイオティクスが豊富に含まれています。トライプの強い臭いは、肉食動物にとってはおいしい香りで、食品にトライプを配合すると嗜好性が高まります。食品に添加したサプリメントの臭いを隠すことにも使用できます。

 

キドニー(腎臓)

キドニーには極めて多くのたんぱく質と葉酸が含まれています。レバーと同じく栄養密度が濃い内臓です。ビーフとラムのキドニーが一般的です。グラスフェッドビーフやラムのキドニーの脂肪にはオメガ3脂肪酸が含まれています。

 

獲物をコンセプトにした食事

多くの内臓は、ペットの手作り食に、そして、市販ペットフードの原料への使用にも見落とされています。ペットフード原料表示の読み方を学んでください。ペットに必要な栄養バランスに相乗効果がある自然食、内臓、腺を配合した商品を選ぶようにしましょう。内臓はスーパーフードで、まだ科学的には必要な栄養素として認識されていない、それをはるかに超える栄養を含んでいます。ペットが高い生活レベルで長生きできるために、健康増進と修復を助ける栄養食を選んであげましょう。

 

著者:Jodie Gruenstern, DVM, CVA

認定獣医鍼療法士、食物療法士。Veterinary Medical Aromatherapy Association (VMAA) 副会長、Dr. Jodie’s Natural Pets, Integrating People for Animal Wellness (iPAW), Dr. Jodie’s Integrative Consulting, PLLC創設者

参考資料

  1. http://perfectlyrawsome.com/raw-feeding-classifications/offal-organs-liver-guide/
  2. https://en.wikipedia.org/wiki/Haggis
  3. https://munchies.vice.com/en_us/article/jpawpb/the-usda-doesnt-want-us-to-eat-lungs
  4. https://www.eatthismuch.com/food/view/lamb-variety-meats-and-by-products-lungs-raw,465292/
  5. https://wellnessmama.com/12579/organ-meats-healthy/
  6. https://dailyhealthpost.com/the-many-health-benefits-of-eating-organ-meats/
  7. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14584743